あなたの会社は大企業病!? 徹底解説!CyberZ F.O.X開発チーム「発展途上会議」に独占潜入!

alert最終更新日から半年以上経過した記事です。
インターネット業界の潮流は早い。数ヶ月も経つと新しい手法や概念が生まれ、どんどんとトレンドが変わっていく。組織が大きくなり、そのトレンドのスピードについていけない企業も多く散見される。こういったことに悩むエンジニアや、責任者も少なくないのではないだろうか。 関連グループ会社を含め、社員数3,500人の文字通り大企業であるサイバーエージェント。1998年創業の同社は、インターネット業界において、老舗と言っても過言ではない。老舗であり、大企業になった同社では、その事業展開スピードを落とさないために、「ジギョつく」「あした会議」などの「会議を形骸化しない」「様々なスクラップアンドビルドを繰り返す」ための工夫や施策が多く取り入れられている。 今回、その子会社であり、スマートフォン向けのマーケティング事業を中心に行うCyberZ社のエンジニアによって行われた「発展途上会議」に独占潜入をした。

エンジニアによって行われる「発展途上会議」とは?

実際に今回行われた発展途上会議の内容をまとめると以下の様になる。

発展途上会議概要

決済者:同社取締役市川氏、Force Operation X(以下、F.O.X)開発責任者門田氏
参加者:F.O.X事業開発メンバー(今回は総勢40名程度)
議論内容
(1) 組織面、サービス内容、会社制度など多岐に渡る
(2) すぐに実行できる状態、つまり人員や具体的な行動や方法論まで落とし込んだ内容までブラッシュアップを行った上で発案

方法
(1) チーム結成は約1ヶ月前。当日までにチームでのミーティングを重ね、発案事項を練りこんでいく。
(2) 1チームにつき3分間のプレゼンテーションを3回行う。1度毎に決済者よりアドバイス、フィードバック、そして採点が行われる。
(3) 一定点数をクリアした議案に関して、その場で採択され、即日実行となる。

発展途上会議の最たる目的は「事業への当事者意識を高めること」にある。同社では、当事者意識の低下は、開発スピードや行動の鈍化につながると考えている。

決済者(役員)にエンジニアが厳しく切り込む!?

失礼ながら、実際に会議に潜入をするまで筆者は「当たり障りのないことを発言して終わるんじゃないのかなぁ・・・。」と思っていた(ごめんなさい。。。)。

ただ会議に実際に潜入し、実際に筆者が感じたことであるが、200人を越える規模の同社の取締役や開発責任者にモノを申すことになるためか、会場は程よい緊張感に包まれている。実際に議論を交わす訳ではない司会の女性もその緊張感を感じている。恐らく今日までの間、忙しい合間をぬって、チームで色々な議論を擦りあわせ準備をしてきたのであろう。和やかな場面もあったが、かなり際どい内容や、議論がヒートアップする場面も見られた。取締役に対して、一般社員が鋭く切り込む場面というのは、普通の会社ではなかなか見ることができない風景である。

会議の合間に、参加をしている何人かのエンジニアに話を聞いてみた。そうすると口々に現場スタッフが言うのは、「楽しい!」「やりがいがある!」などの前向きな発言であった。

「議論を詰め切るというのは本当に難しい作業です。普段感じている問題意識をチームで共有することが出来たり、確認できるのはとても良いと思っています。以前に勤めていた会社も大きな会社でしたが、こういう会議は経験したことがありませんでした。」「役員陣も含めて、しっかりと僕達の意見を吸い上げてくれ、きちんと答えてくれる。そういう姿勢が本当にありがたいです。」

「本来は、今回のような会議がなくてもボトムアップでの提案が自然と出来るようになっているのが理想だと思います。門田さん(F.O.X開発責任者)はそれを望んでいる。僕達がもっともっと日々働きかけていかなければと思っています。」など、今回の会議の意味をしっかりと捉え、準備をしてきたことがうかがえた。

「失敗を経て、現在の発展途上会議になった」

この発展途上会議も最初からうまくいった訳ではないとF.O.X開発責任者である門田氏は語る。実は2年前に一度実施。ただその際はうまくいかなかったという。「その際は議論が的を射ていないことも多く、実現性が伴っていない発案が多くなってしまった。正直課題だらけでした。」(門田氏)

ただ、人数も増え、社内では門田氏に意見があがってくる場面も増えてきたため、今回の会議の実施を判断したそうだ。

「理想的な組織は、現場のスタッフが判断をし、業務を進めていけるチームです。何となくでも良いので、自分たちがどこまでやっても良いのかをわかっているということも重要。出来る限り、メンバーにブレーキがかからないようにしていくことが理想的だと僕は考えています。」(門田氏)

門田氏の発言からは、時流を押さえた新しい体制や仕組みをスピードよく取り入れていく柔軟な組織を作っていきたいという考えが伝わってくる。

まとめ

今回の取材を通して、筆者が感じたポイントは以下の3つだ。

(1) 現場の意見にしっかりと耳を傾ける責任者の姿勢
(2) 日々問題意識を持ち、業務にあたりながらも改善方法を考え続ける現場エンジニアの姿勢
(3) 組織におけるトップダウンとボトムアップのバランス感

筆者は、上記の事項は大企業でなくても実践できる姿勢であると考えている。

現場を知らない責任者のトップダウンだけでは、現在の潮流の早いインターネット業界で生き残っていくことは出来ないであろう。かと言って、現場のボトムアップだけは大きく組織の方向転換をし、多くのスタッフを巻き込んでいくことは難しい。

当事者意識を持ったエンジニアチームと、その意見を取り込むフレキシブルな責任者の姿勢と最終的なトップダウンこそが多くの企業の問題点を解決してくれる鍵なのではないだろうか。