好奇心が道を開く!ポートCTO浦田祐輝に見る、エンジニアの持つべきもの

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ポート株式会社CTOの浦田祐輝さんは、9歳でプログラミングに目覚めた。そこからゲームやWebに興味を持つようになり、エンジニアへ。大学在学中から複数の会社を起業後、大手ゲーム会社・クルーズ社を経て、ポートに加わった。そんな浦田さんに、エンジニアのあり方について伺った。

いまやりたいことに飛び込むために環境を変える

浦田祐輝さんは9歳の頃に触れたパソコンゲームがきっかけで、ゲームを複数作った。そして大学在学中にWebアプリ・ゲームなどを受託する開発制作会社を数社立ち上げたそうだ。新しいテクノロジーに興味がわくと、それをビジネス化するために作った会社は別の人に譲り、また新しい会社を起こす、ということを続けていたという。

「新しい技術が好きなので、それらをキャッチアップしていくと『このアイディアを実現させたい』と考えてしまうんです。でも、『今の会社でそれを実現するのは難しいな』と思うと、『これは違う会社を作ったほうがいい』となるんです」

新しいことをやりたいが、自分のわがままで今いる優秀なスタッフを振り回したくない、との思いから、新事業に取り組むときはそのための環境やメンバーを作り、心機一転で起業してきた。ビジネスを立ち上げながらも100個以上のアプリやゲームを作成。その実績が認められて2012年に24歳で、大手ソーシャルゲーム会社、クルーズ社に入社する。

「いろんな人と関われたことはとてもプラスでしたね。スタッフとして入社し、開発チーム全体の技術統括部部長をやらせていただき、最後は新しい部署を立ち上げてもいいとまで言われて。すごく大きな会社でそんなに簡単にはできないことを、年齢的にも若い時期にいろいろとやらせてもらえた、というのはすごくいい経験になってよかったと思います」

大きな会社を見てみたかったとクルーズ社への入社を決めたという浦田さん。大企業で働くことで、起業ではわからなかった、さまざまな仕事やスタンダードな環境を知ることができたという。しかし、浦田さんは現在クルーズ社のその環境から出て、ポート社へと移っている。当時はなにを求めて移動したのだろうか。

「僕にはやりたいことがあったんです。それは新しい研究開発。それがクルーズではできない、というわけではなかったんですが、自分なりにもっと『世界』と戦えるチームを新しく作りたかったんです」

ポート社に入社したのは2014年。その頃、機械学習や自然言語処理技術がキーワードとして出始め、さまざまな機関で研究がスタートしていた。『これはいまやらないと、乗り遅れる』と思った研究開発の場を求めての移動だったという。

「機械学習や自然言語処理を使って、もっとエキサイティングなビジネスが作れるんじゃないかと思い、Webメディアを事業としていたポートに入りました。でも、その頃のポートはまだ、就職、転職の情報サイト『キャリアパーク!』しかなかったんですけどね」

大手企業から、まだ先の決まらないベンチャーでやることの決断は、キャリアがあると難しい場合も多い。自分を最大限に活かせる環境に飛び込むことにためらわないのは、初めて触れるものに興味しかなかった、9歳の頃から変わらない好奇心があるからこそなのだろう。

CTOの仕事は常にピンチヒッターみたいなもの

浦田さんは現在、研究開発に取り組みながら取締役CTOという役職も勤めている。以前CTOがいないところが多いと聞いて驚いたといいながらも、メンバーでケアしきれない仕事を補強しながら、みんなの成長を促していけるのが目指すCTO像だと話してくれた。

「CTOって会社によって、日本と海外によっても役割が違うので、一概には言えませんが、テクノロジーを理解していて、経営も理解していることが役割だと思います。でも僕は、さらに技術を推進していける人がCTOであるべきだと思っています」

社員の先頭に立つのではなく、むしろ最後にいる。新しい機能を追加したいのなら、社員には自分のやっている開発に専念させるために、CTOが誰に頼むでなく自分でそれを担当する。たしかにそういった姿が、CTOに求められるものなのかもしれない。

社員が開発に集中できるように動いてバランスを取る、ということを浦田さんは『常にピンチヒッターのような仕事』という。自分は細かいところのケアを続けるからこそ、若いエンジニアにたくさんいろんなモノに触れてほしいと考えているそうだ。

「新しい技術や、サービスに触れて、それに対する感度を上げてほしい。新しい技術を知れば、エンジニアであればワクワクして触りたくなると思うんです。そんな勉強をすれば若手だと伸びていきます。勉強をする人としない人では2年目から差がつきます」

エンジニアのなかには、なかなか人になにかを教えてもらうという環境を得るのは難しいという人も多い。自分でコツコツ向き合う人もいるなか、浦田さんは起業した在学中からいろんな人とつながり、いろんなものを吸収してきた経験を話してくれた。

「エンジニアリングって基本的にはチームプレイなので、そのためにもコミュニケーション能力は重要です。それを培うために人と話す。いろんな技術を知っている人は偉い人が多いので、そんな人にも話しかけられる後輩力も磨く。自分から『教えてください』といって仲良くしてもらう。それは大事なことで、僕はそうしてきました」

スキルを持った先輩にかわいがってもらう、ということも社会では欠かせない。エンジニアはそうやってさまざまなことを吸収しながら、スペシャリストを目指すことや、周りとうまくチームを作ることを大切にしてほしいという。

「ポートにいて、無くてはならないと感じるものは『チーム文化』ですね。チームで互いに尊敬しあえない状態になると、ハレーションを起こし、崩れることもある。僕はいまのポートのように、お互いがお互いを支えあえる状況を作れる文化を目指しています

大事にしているのはチームを作り、チーム文化を作ること。そう訴える浦田さんは、ここまで進んできたのは自分だけでなく、人の力もあったと感謝している。チーム文化がしっかりしていれば、誰も迷うことなくスキルを磨いていけるだろう。

ロールプレイングゲームの世界をつくりたい

「僕は、トレンドを一番最初に見つけたいんですよ。『次はこれが来る』と最初に思いたくて。そのためにアンテナをどんどん研ぎ澄ませたい。動向を自分のなかでシミュレーションしていて、『海外がこういった動きをしているから、こうなっていくんじゃないかな』ということは、常に頭の中で考えています」

浦田さんは、ソーシャルゲームの次は機械学習や自然言語処理に行く、と予想したが、それは海外だけのことで、日本ではまだ盛り上がっていないという。むしろ最近来ていると感じるのはエンジニアのための開発ツールらしい。その次はと聞くと、それを答えるのは難しいと笑う。最近はサイクルが速く、1年2年で動向が変わっていっているからだそうだ。

「FacebookさんもGoogleさんも新しいサービスをすごいスピードで出してきたりしているし、宇宙開発とまで言いだしている。もうやりつくしちゃうんじゃないかな、と思います。でも、やりつくした先にまだ、なにかあるんじゃないかなと僕は思っています。技術が面白いのは、行きついたなと思った瞬間にまた、新しい技術が生まれることなんです」

新しい技術は予想がつかない。なにしろ人類が到達したことのない未来なのだから。予想はつかないものの、『次はこれが来る』と最初に思いたいのは、自分のいる領域に対する好奇心の強さもあるのかもしれない。そんな浦田さんにはやりたいことがひとつあるのだという。

「空気中に画面を出したいんです。空間に塵をまいてそこに投影する、みたいなところまではできているのは知ってます。いつか僕はそれを開発したいと思っています。 エンジニアとしてのビジョンとか、研究領域とはちょっと違いますが、『ロールプレイングゲーム』みたいな。ああいう『世界』を作りたい、というのが僕の最終的な目標なんです。だから、僕は『ロールプレイングゲーム』のような『非現実的な世界』と戦わないといけないと思っているんです」

ありえないとか、たかが夢と語られてしまう『ゲームの世界』や『アニメの世界』を現実のモノとして実現化させるために戦う。それは『海外』と戦うよりももっと困難な野望だといえる。でも浦田さんは、これは日本が一番進んでいる分野だと自信を持って話すのだ。

浦田さんは、好きなものは子どもの頃から変わっていないと笑う。 9歳のときにプログラミングが好きになり、エンジニアとなって起業を経験し、企業を自分の居場所と決め、いまはCTOとして活躍する。しかし、そのCTOは単なる役職だけのことだ、という。

浦田さんはそこにこだわりなどなく、あくまでも目指すものは新しいテクノロジーを活用したビジネスにある。そのためには、その夢を支えてくれるスタッフが一番大切なのだという。そこにはきっと、浦田さん自身が持つ、『人を巻き込む魅力』があるからだろう。

最後に浦田さんにとって『無くてはならにないもの』は? と聞くと、「好奇心」と答えてくれた。浦田さんは常にアンテナを張り、成長し続けながらも、いまも少年のような好奇心いっぱいの心を持つ、CTOなのだ。

なにかに動かされないと進んでいくことは難しい。一人で切り開くこともできる人もいるが、それだけでは到達できない場所もきっとあるだろう。浦田さんは自身の好奇心に突き動かされながら、周囲を巻き込んでいく。そういう能力こそがこれからのエンジニアに求められるものなのかもしれない。

ポート株式会社

「世界中に、アタリマエとシアワセを。」をミッションに、新しい時代の1ページを創る会社です。
代表取締役CEO:春日 博文
設立:2011年4月
本社:東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー12F
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