技術だけでなく、アイデアを生み出すエンジニアを育てたい!LiB米山諒さんのCTOとしての思い

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エンジニアの米山諒さんとビジネスマンの松本洋介さんが出逢ってLiBが生まれた。米山さんがLiBへと辿り着いたのは偶然ではなく、必然からの運命だったようだ。女性とエンジニアのキャリアアップの悩みは重なるところがある、という米山さんに、エンジニアとしてのビジョンを伺った。

自分で決めて自分で責任をとるためのキャリア転換

LiBのオフィスは渋谷にある、タワーレコードの斜め向かいにそびえるビルの1階だ。大通りに面したガラス張りのオープンな雰囲気で、思わず「ここはカフェ?」と勘違いしてしまいそう。実際、間違ってドアを開けてしまう人も少なくないらしい。

女性向けの転職サービスを運営している会社だけあって、LiBでは社員総数60名のうち女性が6割を占めるとのこと。オフィスがまぶしいほど華やいで見えるのは、イキイキしている女性が多いからだろう。こんなオシャレな環境で米山諒さんはCTOとして活躍している。

「僕はいま、自分で直接プログラミングして開発するというより、チームのサポートやマネージメントをすることが多いんです。メンバーの得意領域を活かしながら、ミッションを振り分けたりとかですね」

米山さんは早稲田大学理工学部の卒業。在学中はインターンとして、創業間もないビズリーチで採用管理などのシステムのプログラミングを担当していた。そのうち、企業におけるビジネスに興味がわき、卒業後はリクルートに入社する。

「リクルートも上場するちょっと手前の時期でした。既存の仕事ではなく、自分で新しいWebサービスを作りたいという想いが強かったんです。すると、そのタイミングで新規事業を扱う部署ができて、運よくそこに配属になりました」

リクルートではイベント系告知サイトの新規事業化などを手掛けていた。しかし、大企業のなかで決定をただ待つというスタイルよりも、スピードよく自分で決めて、自分で責任を取るというスタンスの方が自分には合っていると思い、退社。フリーランスとなる。

「お客さんは小さめのスタートアップ企業でした。社内にエンジニアはいるんだけど、社長はエンジニアリングにあまり詳しくない人が多かった。なので、僕が間に入ってコンサルをしたり。あとはエンジニアとして開発にも関わっていました」

しかし、いつまでもフリーランスでやっているつもりはなく、いずれは起業しようと考えていた。そんななか、技術面に自信があった米山さんは、ビジネス面に強いパートナーが欲しいと思い始めていたそうだ。そのとき、人づてに紹介されたのが、同じくリクルートで働いていた経験を持ち、起業を考えていた松本洋介さんだった。

「松本から『女性のキャリアの負担が大きいので、そこに何かサービスを提供できないか』という提案があって、僕も彼と同じように人材に関係する仕事には携わっていたので、『それ、面白そうですね』ということになったんです」

米山さんにとって、ビズリーチ、リクルートという人材系の会社を経たことや、エンジニア、コンサルなどのさまざまな業務経験が、なるべくしてなるように合致した瞬間だったともいえる。そして、志を共にする仲間と一緒に女性のキャリアを支えようとLiBがスタートする。

そして現在はLiBz CAREERという、仕事もプライベートも大切にしたい、キャリア女性のための会員制転職サービスがLiBのメイン事業だ。取材に伺った際も、用意されたスペースを埋める来客と、そのニーズを共有し提案するスタッフがあふれていた。奥に見えるオフィスには「達成おめでとう」の垂れ幕。女性の転職を支えるという企業としてのミッションを、着実に遂行できている。

女性とエンジニア、その両方のキャリアに対する不安を解消する仕事

「女性は出産や育児で働き続けるのが難しくなってしまって、職場を辞めてしまうことがあります。育児期間でキャリアにブランクがあると、どうしても社会に戻りにくいのが実情です。日本はまだ恵まれている部分もあるのかもしれませんが、それでもバリバリ働いて活躍していた人が、出産を機に社会で活躍できなくなるのは悲しいですよね」

女性は出産や育児という生涯のライフイベントに備えて不安を抱えている。仕事や会社にやりがいを感じているが、戻ってくることができるだろうかと悩んでいる。そういった女性のキャリアに対する悩みは、エンジニアと重なるところがあるという。

エンジニアも技術の移り変わりの速さに、自分の技術力がどこまで通用するかに不安を覚えている。たとえば、Javaを使っているけれどRubyでないとダメだろうかと悩む。CTOである米山さんの仕事は、サービスを通して女性の不安を取り除くことと、社内のエンジニアのキャリアへの不安も取り除くことにある。裏側から多くの人を支えているのだ。

「SE、SIでなくWebエンジニアに限っていうと、これからはスペシャリストとして誰にも負けない技術力があることも大切ですが、デザイナーや営業という他職種と一緒にチームを組むことが多いので、その人たちが何を考えているかを理解することが重要になると思います」

エンジニアでチームを組むことが多いSE、SIに対し、Webエンジニアは違う領域のスタッフとチームを組まなければいけない。当然ぶつかることもあり、自分の思う通りに進まなかったりして、歯がゆい思いもする。しかし、そこで会話し、コミュニケーションを取ることが大切となる。

「そのため、LiBではチームにディレクターを置きませんエンジニア、デザイナー、マーケターが直接企画に関わる体制にしています。企画対開発みたいな対立構造が好きじゃないんです」

ディレクターを置くとスムーズに進行するというメリットがある反面、ディレクターの指示でしか動けなくなるというデメリットがある。多少非効率になるリスクはあるが、それよりもスタッフ全員が自分で考え、責任を持つチーム作りを重視しているのだという。そこには会社として将来のビジョンを描いていることにも関係している。

「新しい事業をどんどん生み出そうと考えています。誰かの役に立つような新しいサービスを、未来に先駆けて自分たちで生み出せる会社にしたいんです」

誰かに任せるのではなく、スタッフ全員が自分自身で『こういうサービスがあれば世の中の役に立つのでは』と考える力をつけて欲しいという思いがある。いずれはエンジニア、デザイナーなどの立場から事業を企画し、実現できるようにしていきたいそうだ。それはとても楽しそうですね、というと米山さんは「楽しいとは思いますが、苦労するとも思います。違う脳みそを使わないといけないので」と笑う。

採用という分野の面白さは「大げさにいえば、人の人生に関わるサービスが提供できること」だと米山さんは語る。LiBのサービスから新しいキャリアへと歩みだし、『よかった』というユーザーの声を聴くことが一番の醍醐味だという。もちろんその分、責任も重く、サービスの不満から叱りを受けることもあるそうだ。しかし、「それでもやりがいはありますね」と笑顔を見せる。

米山さんにとって二軸である、採用のサービス運営と社内エンジニアのマネジメント管理は、その人の人生に関わるものにとって大切なものを提供するという使命のもと取り組んでいるようだ。人の未来とキャリアを考え続けているLiBだからこそ、そこで働くエンジニアの未来とキャリアにも目を向けていることが強く感じ取れた。

エンジニア自身が持つ考え方から問題解決の糸口を

今後、AIがプログラミングをするような時代が訪れることは容易に予想できるが、米山さんはどんなエンジニアの未来を予想しているのだろうか。

「エンジニアの仕事がすべてAIに取って代わるとは思いませんが、表面的な技術だけしか知らないエンジニアは重要ではなくなっていくでしょうね。それでなくとも教育サービスは進んできているので、誰もがエンジニアになれるようになり、特別なスキルではなくなるでしょう。だから、より深い専門的な技術が求められるでしょうし、一方で、技術をサービスやプロダクトにつなげるという、人にしかできないクリエイティブな考え方がより必要になっていくと思います」

エンジニアが、テクノロジーをどう活用すれば新しいサービスやプロダクトを生み出せるのかを考える。そうすることがエンジニアとして生き残る術であり、LiBではそれをエンジニアに求めることでエンジニアのキャリアを育てている。

「もともと、エンジニアは課題解決をすることが仕事だと思います。課題を解決するためにどんな技術を使えばいいのか、課題解決能力は絶対に必要になりますね。人の不安や悩みをどうやって解決していくのか、という思考は必要だと思います」

人の不安や悩みはAIではわからない。人間には人間でしかわからない領域がある。人が思いつかないことをエンジニアとしての知識と技量で解決する、それこそがエンジニアの仕事なのだ。

そう話す米山さんに、作ってみたいサービスを聞いてみた。

「LiBではソフトウェアのテストは率先してやっているんですけど、テストを書くのはあんまり楽しくないので(笑)、実装しておけばテストは完了するといった技術を作りたいですね」

AIをそういったテストのために使う。そのことでエンジニアは検証するためだけのコードを書くことにから解放され、ただ作りたいものを作ることだけに邁進できる。つまり、前に進むことに時間を使えるということだ。

また、日々進化、増幅するデバイスに対応する必要もある。Webサイトを見るユーザーがPCからスマートフォンへと移行してきたように、IoTが進めば必然的に新しいデバイスは生まれてくる。そういったことも解決していきたいそうだ。

「時代時代の生活の中で、一番使われるどんなデバイスにも常に対応できるように開発する、というのは技術的にも頑張りたいところです。デバイスが増えたら開発時間が増えるというのは、ナンセンスだと思っています。むしろ、増えれば増えるほど開発効率があがるような技術を作りたいですね」

エンジニアには課題解決をすることが求められる。エンジニアにある課題を解決するのもまた、エンジニアに課せられた重要な使命ともいえるのだ。目に見えて派手な技術ではないにしろ、やはり裏側で未来を支えるのが米山さんの使命なのかもしれない。

株式会社LiB

「生きる」をもっとポジティブに。

代表取締役:松本 洋介
設立:2014年4月
本社:東京都渋谷区神南1-12-16 アジアビル1階
https://www.libinc.co.jp/