エンジニア転職を成功させる方法とは?

alert最終更新日から半年以上経過した記事です。
大手企業に就職しエンジニアになったけど、毎日毎日、設計や要件定義に顧客折衝ばかり。 エンジニアとして難しい社会問題を解決し、世の中の役に立つことが夢だったはずなのに、開発もやっていない。 「自分の人生はこれでいいのか?」と、お悩みを抱えているエンジニアのみなさま。 今回は現役キャリアコンサルタントから、エンジニアの転職理由や回数など、リアルな情報を教えてもらいました。 後半では、エンジニアの転職を成功させるために大切なこともお伝えします。

エンジニアに多い転職理由5選

(1)スキルアップ、キャリアチェンジ

質問:エンジニアはどんな理由で転職活動をすることが多いのでしょうか?
回答:

スキルアップやキャリアチェンジがしたいという理由が一番多いです。具体的には以下のようなキャリアチェンジやスキルアップです。

    (1)SIerからITエンジニアへのスキルアップ
    (2)SIerからITコンサルタントへのキャリアチェンジ

もともとはエンジニアや技術者として難しい社会問題を解決したいと思って入社したが、上流工程(設計・要件定義)や顧客折衝ばかり、そういう時にスキルアップやキャリアチェンジをするというケースはよく見受けられます。現在のIT技術者の市場で申し上げると、そもそも世の中のIT技術者の9割位がSlerであり、ITエンジニアやITコンサルタントはまだまだ少数とも言えます。


(2)残業の不満

残業が多いことが転職を考える要素のひとつとなっている方も多いですね。残業が多くなりがちになる理由としては、お客様都合で遅くなってしまうためです。例えば、終業時刻近くにお客様からお電話が入り、突発的な対応を求められることも珍しくありません。
また、基本的にはお客様からフィーを頂戴するSIerやSESの場合、数多く仕事をしたほうが会社の業績が上がるため、残業が多くなる傾向がありますです。


(3)会社の将来性に不安

転職理由の3つめは「なぜうちはモダンな開発環境ではないのか?」と環境を理由に転職を考える方も多くいます。例えばずっと昔から30年続いているシステムの会社では「VB.NET」などの比較的古い言語を使っているようなケースが多く見られます。
必ずしも古いものが悪いということを言いたいわけではありません。企業としても、モダンな技術に変えたいという想いがまったくないという訳はありません。しかし、今まで何十年と組み上げてきた大きなシステム、例えば銀行関連の金融システムを今からAWSにすべて取り換えて、モダンなフレームワークに全部書き換えようとすると、費用面やリソース面において大きいため、実現が難しいという判断になってしまうのです。
企業が変わらない、変えられない状況にあるのであれば、転職という道を考える方が実際にいるということです。


(4)コミュニケーションが苦手

転職理由の4つめは、コミュニケーションが苦手という方も多いです。特にSESで働く方は、半年から1年くらいで常駐先が変わることがあるため、人間関係を再構築することを億劫に感じていらっしゃる方も数多くいらっしゃいます。
そもそも「自分はコミュニケーションが少し苦手なので、ITエンジニアという道を選んだのに、結局、顧客折衝ばかりだ。。。会社のメンバーとコミュニケーションを取るならいいけど、毎回毎回お客様との関係構築をすることに疲れてしまうなぁ。。。」と考えている方も多いと感じています。


(5)給与面の不満

転職理由の最後に、こちらもSESで働く方に言えるのですが、給与に不満があるという方が多くいらっしゃいます。SESの売上というのは、人月単価で設定されます。
例えば「人月単価100万円」とすると、一人が1ヶ月働く時にクライアントが支払う金額が100万円であることを意味します。しかし、人月単価の金額がそのまま給料に反映されるわけではありません。経費や会社の利益となる部分など、さまざまな金額が引かれたものが給料となり、結果薄給になってしまうということです。
頂点にクライアント企業、その下にSIer、さらにその下にSESで働く方と多重請合構造になっているため、給与がなかなか上がらないのです。


エンジニアの転職回数

質問:エンジニアの転職は多いと言われています。転職回数が多いと不利なのでしょうか?
回答:

転職をしていない方と転職を繰り返している方、どちらが評価が高いですか?と言われれば、正直、転職回数が少ない方が有利であることが多いです。理由はシンプルで、「入社した際に継続して勤めてくれるか?」「戦力となって企業に対して貢献をしてくれるか?」と企業は考えるからです。とはいえ、自分自身のキャリアプランに意図を持って転職をおこなっている場合、さほど影響がないケースもあります。
例えば、もともとSlerとして優れたソフトウェア開発エンジニアになりたいと考えている場合、スキルアップのできる会社に転職するのは問題ないです。ご自身のライフプランやキャリアプランに沿っているのか、そこに一貫性があるかが大事になります。


エンジニアが転職を探す際の注意点

質問:専門職ゆえの理由があるのですね!それではもし転職をするとなったときの転職先を探す際の注意点を教えてください。
回答:

1つめに焦りは禁物です。ゴールがないとブレていってしまうので、まずは自分のキャリアのゴールを決めることから始めましょう。転職は必ずしも素晴らしい手段というわけではなく、一つのゴールを達成するための手段だと思います。ゴールの判断がつかない時は、むやみに動かないというのも手です。
AIに例えていうのであれば、ビッグデータは溜まれば溜まるほど、予測の精度をあげていきます。人間も一緒です。経験や知識などのビックデータがたまっていないと予測の精度が弱いため、転職成功から遠ざかってしまいます。自分の過去の行動パターンを考えビックデータをためて、その上で判断するのが正しい方法です。ビックデータがたまるのを待ち、今やれるべきことをしっかりやって経験をためて、手段の選択肢を複数持てるようにしていきましょう。

2つめに知名度に振り回されないということです。会社の規模が大きければ、一般的には裁量は持ちにくく、しっかり規律が敷かれているためセクショナリズムになりがちです。逆に規模の小さい会社は必然的にいろんなことをやらなければいけなくなるケースが多いです。小さな大企業(スモールジャイアンツ)と言って、小さくてもよい会社もあるし、必ずしも大きければよい、有名だからよいとは限りません。企業の決め方は自身の働き方、価値観、好きなこと、人生の目的によって変わるでしょう。こういったことから、企業の規模や知名度に振り回されないということが大切です。

3つめに十分に情報収集をすることです。情報収集はインターネットで行うだけではダメです。実際に自分で担当者と話したりエンジニアと話したり、知人に話を聞いたり、より生に近い情報を手に入れて、企業文化や福利厚生、働き方、業界の動向や転職市場の動向など総合して考えましょう。実際に面接の場で担当者とお話をした雰囲気なども重要な指標になるでしょう。転職というとインターネットだけで情報収集しがちですが、リアルな情報が大切ということですね!自身でキャリアのゴールを決めることが難しかったり、キャリアに迷ったりしている方は非常に多いと思います。


エンジニアが転職を成功させるために大切なこと

質問:最後にエンジニアが転職を成功させるために大切なことを教えてください。
回答:

仕事や転職は手段であって、その手段は目標達成ができれば、何でも良いと私は考えています。例えば「ソフトウェアを作りたい!」という人生の目標を持った時には、今の会社でも新しい会社でも、起業しても作ることができますし、その中で目標に対して最善の方法を選択すべきでしょう。つまり、目的に対して整合していれば、手段は何でも良いということになるのです。
私たちキャリアコンサルタントは、皆さんが自分らしく、幸せな人生を送るために、最適な手段を選択してほしいと願っています。しかし、この「自分自身で人生やキャリアの目的や方向性を決め、マイルストーンを設定し、正しい方法を選択すること」は大変難しく、なかなか簡単にできないのです。もし、この作業が簡単にできるのであれば、みんなが幸せになっているのではないかと思います。転職が難しい理由はここにもあります。
私たちは手段を提示すること以外に、皆さんの悩みを解きほぐし整理していくことも仕事だと思っています。


最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。いかがでしたか?
キャリアに迷っている方、転職に不安や悩みがある方はぜひ現役キャリアコンサルタントにご相談ください。
私たちはキャリアプランをしっかりと練らせていただき、求職者様の未来を一緒に考えていきたいと思っています。

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